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比嘉姉妹と過ごしたゴールデンウィーク

比嘉姉妹と過ごしたゴールデンウィーク
By Yasukuni Notomi • Issue #68 • View online
この連休は、仕事の傍ら、ずっと読もうと思っていた澤村伊智さんの比嘉姉妹シリーズ第一作「ぽぎわんが、来る」を読み、その映画化の「来る」を見たら、すっかりハマってしまって、そのまま一日一冊、比嘉姉妹シリーズ既刊分、全5冊を読んでしまいました。以下は、その記録です。まあ、単なる感想日記ですね。ああ、次回作が楽しみです。

映画『来る』【ロングトレーラー】
映画『来る』【ロングトレーラー】
2021年5月1日
 面白そうだなあと思って買ったまま、ずっと放置してた澤村伊智「ぽぎわんが来る」と、絶対面白いだろうと思いつつ見そびれてた映画「来る」、ようやく映画見て、その勢いで小説も読んで、気が付けば比嘉姉妹シリーズ全部買ってしまったw 面白いなあ、映画も小説も。きっちりとホラー的なぽぎわんも怖いけど、映画のもはや怪獣vs松たか子みたいな展開も最高。原作の登場人物の役割をちょっとずつ拡大して、心霊パニックに持っていったのは上手いなあ。その分、野崎と真琴という本来の主人公が地味になっちゃったけど。岡田准一、小松菜奈、松たか子でシリーズ全部連続ドラマにしないかなあ。比嘉琴子は松たか子の大当たり役じゃないだろかw で、「ずうのめ人形」がまた面白い。早く読んどきゃよかった。予言の島も読みたいなあ。
2021年5月2日
 澤村伊智「ずうのめ人形」、大傑作だった。デビュー二作目でこれかあ、凄いなあ。フィクションが人を呪う物語。作中でガッツリと「リング」「残穢」に触れつつ、ただでさえ怖い日本人形ホラーを都市伝説に絡めて、呼び寄せてしまったモノについてが描かれる。ミステリ的な手法を使って、ちゃんと怖いスーパーナチュラルを展開するのがいいなあ。ぽぎわん、読んでなくても全く問題のない書き方で、でも読んでたら、ちょっとほっこりする仕掛けも上手い。
2021年5月3日
 澤村伊智「ししりばの家」読んだ。不意に俺の中で始まった比嘉姉妹祭り3冊目。なんて見事な幽霊屋敷もの!比嘉姉妹シリーズの怪異は、怪異なりのロジックがハッキリしていて、その上で怖いのが見事なのだけど、今回のロジックも上手いとこ突いてる。マザーコンピューターの暴走によるディストピアSFを怪異にして家に詰め込んだみたいな話だけど、いやー上手いわー、砂が怖い!
 ところで、ぽぎわんは紙で買って、ずうのめとししりばはBookwalkerで買って読んだ。で、Bookwalker版は角川だからかどうか、表紙も裏表紙もカバー袖もスキャンデータが入ってて、解説も収録されてるんだけど、これ他の電書はどうなってるんだろう。ししりばの三津田信三による解説は名文だよー。
2021年5月4日
 澤村伊智「などらぎの首」読んだ。比嘉姉妹シリーズの短編集。時系列的には、長編三作の前日譚が中心。野崎と出会う前の真琴が事件を治める「ゴカイノカイ」は日常とオカルトの組み合わせが上手い。ちょっとミステリ的な仕掛けが楽しいなあ。「学校は死の匂い」は小学生時代のミハルの話。ミハルちゃんが良い子過ぎて泣ける。「居酒屋脳髄談義」は、多分、「ずうのめ人形」より後の話。琴子姉さんによる、初期鬼太郎みたいな話を京極夏彦テイストで描く。「悲鳴」は、ずうのめのあの子の大学時代の話。「ファインダーの向こうに」は野崎と真琴の出会いの話。心霊写真テーマの新手をいい話にする面白さ。「などらぎの首」は高校時代の野崎の失敗譚。よく死なずに済んだな、そして、この体験を経ても、オカルトライターになるって凄いなw 個人的には「ゴカイノカイ」と「居酒屋脳髄談義」が好きだが、作者がやりたいのは、比嘉家サーガなのかもしれないw
2021年5月5日
 澤村伊智「ぜんしゅの跫」読んだ。比嘉姉妹シリーズ五作目で第二短編集ということだけど、まあ、実際には最後のニ編が比嘉姉妹シリーズで、他の3編は一応シリーズとしての関連は付けてあるけど、独立したホラー短編として構想されたもののような気もする。最初の「鏡」は、ぽぎわんの前日譚のような後日譚というか後始末的な短編。最悪の亭主は死んだ後も酷い目に会うという話w。次の「わたしの町のレイコさん」は、ずうのめの40から20年前の都市伝説にまつわる真っ当な怪談。「鬼のうみたりければ」も怪談の文脈で書かれた神隠しと死者の甦りについての話。この3編はホラーというより明らかに怪談を意識して書いたのだと思う。で、「赤い学生服の女子」は、ずうのめの後日譚の形を取った、比嘉ミハルが三途の川で戦う話。最後の「ぜんしゅの跫」は、ずうのめのラスト、野崎と真琴の結婚式の直後に起こったハプニングと、琴子と真琴の姉妹についての話が、見えない通り魔という怪異を軸に語られる、ザッツ比嘉姉妹シリーズといった中編。どれも上手いなあ。比嘉琴子のレリゴーは是非、実写でやって欲しいぞ。
 ということで比嘉姉妹シリーズの既刊分は読んでしまってしまった。次は長編かな。比嘉姉妹、もう一人亡くなってる女の子がいて、亡くなってる弟も二人いるはずなので、その話とかになるのかな。琴子姉さんの受難は続くのかw ともあれ、次は「予言の島」読もう。
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Yasukuni Notomi

AllAbout、日経トレンディ、朝日新聞、夕刊フジなどに連載中。オウンドメディア、片岡義男.com、その他諸々、あちこちで書いています。マツコの知らない世界、嵐にしやがれ、モニタリング他、テレビやラジオ出演も色々。そこからはみ出したネタや、愛用品、目立たないけど凄い新製品、うまいコーヒーやお茶や酒、浮世絵や歌舞伎や芝居、音楽、ミステリにホラーにSFなどなど、面白いものを随時、紹介しますので、読んでもらえると話のネタ、記事のネタになるかも。メールアドレスを登録すると、最新記事がHTMLメールで届くので、ちょっと面白いです。

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