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爪切りの名品いくつか

爪切りの名品いくつか
By Yasukuni Notomi • Issue #57 • View online
久しぶりに貝印さんに取材することになったので、昔、トレンディネットに書いた爪切りの記事を思い出しました。実際に使ってみた爪切りのレビューが商用メディアに掲載されるのは珍しいからか、かなり多くの方に読んでいただいた記事です。全部だと長いので、その一部を公開します。私は、今も、手の指の爪は小坂刃物製作所の「Griff nail clipper(回転刃タイプ)」を愛用中。足の指の爪は貝印の「関孫六 ツメキリ type101L」を使っています。

 爪切りというのは、中々買い替えない。筆者は大学入学時に一人暮らしのアパートに持っていった、家にあった爪切りを40年暗い使っていた。もちろん、途中、何度か買ってみたのだけど、普段使っていることで手に馴染んでしまった爪切りを、明らかに切れ味が悪くなっているのにも関わらず使い続けてしまった。
 しかし、爪切りは、ちゃんとしたものを買うと、これが驚くほど使いやすく、切れ味も良いのだ。ようやくそのことに目覚めた筆者は、それから色んな爪切りを使ってみた。その中から、爪切りの最前線を感じさせる製品を選んでみた。自分用にも、ギフト用途にも、爪切りは意外に買うと嬉しい製品なのだ。
小坂刃物製作所「Griff nail clipper(回転刃タイプ)」
小坂刃物製作所「Griff nail clipper(回転刃タイプ)」
小坂刃物製作所「Griff nail clipper(回転刃タイプ)」
 小坂刃物の人気モデル、ヘッドが回転するコフの爪切りをベースに、ヨシタ手工業がデザインしたのが、「Griff nail clipper(回転刃タイプ)」。爪切りは、人によって場合によって、ハンドルを持つ位置や角度が変わるのだけれど。その様々に変化する持ち方のほとんどをカバーしつつ、最大限に力が入りやすいように設計されているのが、この爪切りの一番の特徴。特に、本体を机の上に置いた時、刃の部分が少し持ち上がった位置で固定される形状なので、爪切りを机の上に置いたままで爪が切れるようになっているのは、握力が弱っている人にも使える、このモデル独特の機能だ。
 実際に使ってみると、刃物メーカーで長く爪切りを作ってきたメーカーの製品だけに切れ味には文句がなく、しかも力を入れやすい形状だからか、分厚い足の爪も楽に切る事ができる。刃の部分が回転する機構も、足の爪を切るのに手首に無理が掛からず、とても楽に切れる。何より、デザインというか、モノとしての形状がとてもカッコいいのだけど、この形が全部、爪が切りやすいための形になっているのが凄い。筆者が、爪切りという道具について、真面目に考えてみようと思ったきっかけになったのが、この製品。使うたびに、その良くできた構造に感心できるから、爪を切る作業が億劫にならない。それが、この爪切りの一番の魅力かもしれない。
クリップジャパン「ザ・アルティメット・クリッパー」
クリップジャパン「ザ・アルティメット・クリッパー」
クリップジャパン「ザ・アルティメット・クリッパー」
 アメリカのプロダクトデザイナーが、爪切りの形をゼロから考え直してデザインしたという製品。面白いのは、切れ味を求めた結果、刃は日本の関市のメーカーに依頼したという、日米コラボ的な製品になっていること。変わった形状の爪切りだが、ハンドルを折り曲げることで、短い距離でもテコ自体の長さを稼いだ設計は、小型化だけでなく、実際の爪を切る作業時にも良い具合に働く。切る爪の近くでハンドルを動かすことになるのだけれど、これがとても切りやすいのだ。切る場所と切るために動かす場所は近い方が細かい作業に向くのは当たり前のことだが、それを、この爪切りは実現している。
 もっとも、かなり小型の爪切りなので、伸び過ぎた爪や足の爪にはあまり向いていない。どちらかというと、日常的に持ち歩いて、気がついた時にサッと取り出して、爪のささくれを直したり、ちょっと伸びた爪を整えるといったグルーミング的な作業に向いた製品なのだ。シンプルながら洒落たデザインのヌメ革のケースが付属していることからも、そういった使い方が推奨されていることがうかがえる。質感もデザインも良いし、高硬度ステンレス製で耐久性も高い。一見、何かが分からない形状なので、気の利いたギフトとしても使える。
貝印「関孫六 ツメキリ type101L」
貝印「関孫六 ツメキリ type101L」
貝印「関孫六 ツメキリ type101L」
 貝印の関孫六シリーズは、関の伝説の刀匠の名前を冠しているだけあって、どの製品も、その切れ味はちょっと他の追随を許さないものがある。ちょっと切ってみるだけで、「うわ、これは切れる」と驚くほどの、スルッと楽に切れる感触なのだ。もっとも、爪切りの場合、あまり切れ味が良過ぎても、実際に使う場合、怖いのだけれど、そこは長年爪切りを作っている貝印製だけあって、安全性も十分考慮されている。その中で、今回選んだのは、「関孫六 ツメキリ type101L」。この爪切りは、オーソドックスな形状だが、やや大きめに作られている、主に足の爪を楽に切るための製品なのだ。この大きさが、大人の男性にとっては持ちやすく、切りやすい。手の指にしても、これを使っていて、ちょっと大きいなと感じるのは小指の爪くらいで、それにしても切りづらいわけではない。
 ただでさえ切れ味の良い関孫六シリーズの大型タイプだから、足の爪、特に親指の爪のような厚い爪も何の問題もなく切れる。さほど力を入れずに切れるから、かえって安全に切れるのだ。切れ味の良さがオーバースペックなら、それは危険かもしれないが、切るものに対して適切な切れ味ならば、切れ味が悪いものより良いモノを使う方が安全なのは、刃物全体に言えることなのだ。本体が大きいので、本体に内蔵された爪やすりも大きくて使いやすい。刃が直線的なのは、足の爪を丸く切って巻き爪になるのを防ぐため。しかし、手の爪を丸く切るのにも、特にコツなど要らず普通に丸く切れば丸く切れるのは、切りたい場所に確実に刃をあてやすい設計になっているからだろう。
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Yasukuni Notomi

AllAbout、日経トレンディ、朝日新聞、夕刊フジなどに連載中。オウンドメディア、片岡義男.com、その他諸々、あちこちで書いています。マツコの知らない世界、嵐にしやがれ、モニタリング他、テレビやラジオ出演も色々。そこからはみ出したネタや、愛用品、目立たないけど凄い新製品、うまいコーヒーやお茶や酒、浮世絵や歌舞伎や芝居、音楽、ミステリにホラーにSFなどなど、面白いものを随時、紹介しますので、読んでもらえると話のネタ、記事のネタになるかも。メールアドレスを登録すると、最新記事がHTMLメールで届くので、ちょっと面白いです。

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