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マキエマキ「空想ピンク映画ポスター展5」@六本木ビリオン

マキエマキ「空想ピンク映画ポスター展5」@六本木ビリオン
By Yasukuni Notomi • Issue #74 • View online
マキエマキの写真展、「空想ピンク映画ポスター展5」を見ました。今まで知らなかったことが悔やまれる、最高の写真展でした。エンターテインメントとエロとアートとお笑いは、きちんと並立して、しかも、そこには技術と手間暇がしっかり掛けられていて、だからこそ気軽に笑って楽しめるものが出来上がるという見本が、そこにありました。6月27日までです。急いで!

 マキエマキ「空想映画ポスター展5」を六本木ビリオンで見た。この方を今まで存じ上げなかったことが勿体ないと思った。自身をモデルに、往年のピンク映画のポスター風に仕上げたポスターサイズのプリント作品による展示なんだけど、そこに込められた情報料というかネタの手数が膨大で、しかもちゃんと笑いにもエロにも写真作品にもなっているという凄まじい展示。そしてそれだけのレイヤーを重ねながら、きちんと軽いのだ。なんて楽しい。
 例えば「変態熟女7 セクシーバス・ストップ」のロケーションの見事さ。中途半端に昔のバスの停留所のベンチや壁のテクスチャーが醸す濃い時代感に、スカートをちょっとだけたくし上げたポーズに「きっとあなたはここに来る。」というコピーが重なる絶妙な構造。「セクシーバス・ストップ」というタイトルを使いたいというだけで、このロケーションを見つけて撮影する映画的な感覚に、筒美京平トリビュート的なイメージも重なり、浅野ゆうこ的な薄笑いまで張り付く。そもそも、写真がものすごく上手いのだ。正に技術の無駄遣いw たまらない。
 フジフィルムのネガカラーフィルムを再現したという色味と空気感が、プリントの業者さんとのマッチングで、もう完全にあの頃のポスターの色になっていて、しかし、題字やコピーなどの書体やレイアウトは、きちんと現代のセンスを踏襲した上で昔風のパロディになっていて、だからグラフィック作品としての完成度も高い。多分、当時のホンモノのポスターよりも手間もお金もかかってる。そのちゃんとした仕事ぶりと仕上がりのバカバカしさのコントラストが好き。
 会場でマキエマキさんとお話しさせていただいていて思い出したのだけど、子供の頃、ピンク映画のポスターは普通に街中にいくらでもあって、マキエマキさんも子供の頃に見た海女さんもののポスターに衝撃を受けた記憶で、今回図録の表紙にもなっている「人妻海女 爛熟の黒鮑」を作ったそうだし、私がくノ一という言葉を覚えて山田風太郎に出会うきっかけになったのもピンク映画のポスターだったりするw 海女って言葉と姿もそうだ。おかしな時代で、今思うとアレ自体がギャグみたいなもので、だからこの展示が笑えるし沁みるのだった。
図録(2200円)
図録(2200円)
 展示作品が収録された図録(2200円)もとても良い出来だし、ステッカーも頂けて、図録にはサインまで頂いてしまった、嬉しいなあ。アマビエステッカーのサービスだってある。入場料500円はお得すぎる。27日まで、急げ!
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Yasukuni Notomi

AllAbout、日経トレンディ、朝日新聞、夕刊フジなどに連載中。オウンドメディア、片岡義男.com、その他諸々、あちこちで書いています。マツコの知らない世界、嵐にしやがれ、モニタリング他、テレビやラジオ出演も色々。そこからはみ出したネタや、愛用品、目立たないけど凄い新製品、うまいコーヒーやお茶や酒、浮世絵や歌舞伎や芝居、音楽、ミステリにホラーにSFなどなど、面白いものを随時、紹介しますので、読んでもらえると話のネタ、記事のネタになるかも。メールアドレスを登録すると、最新記事がHTMLメールで届くので、ちょっと面白いです。

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