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アトキンソンの方法で日本の生産性は向上するか【永井俊哉ニューズレター】 - Issue #4

アトキンソンの方法で日本の生産性は向上するか
アトキンソンは、最低賃金の引き上げが日本の生産性を向上させると主張していますが、本当にそのような効果はあるのでしょうか。このプレゼンテーションでは、最低賃金引き上げが雇用や生産性に与える効果を検証した上で、日本の生産性や賃金を上げるために最善の政策は何かを考えます。
アトキンソンの方法で日本の生産性は向上するか
アトキンソンの方法で日本の生産性は向上するか
レジ袋有料化は資源の節約になるか
ブログの読者から「小泉前環境相のレジ袋有料化は何か効果があったと思いますか」という質問が来たので、それにお答えいたします。
レジ袋有料化は、小泉前環境相の前任にあたる原田義昭環境相(当時)が、2018年10月4日の会見で表明し、推進したもので、小泉前環境相はたんに既定路線を実行に移しただけですから、彼一人に責任を押し付けるのは不公平です。
そう断った上で言いますが、レジ袋有料化は、有料指定ごみ袋制度やプラスチックのマテリアル・リサイクルと同様に、愚策であると思います。これら三つは、環境保護やプラスチック資源の節約を大義名分としておきながら、その成果を上げていないからです。
レジ袋の無料配布は、もともと小売店が万引き防止のために始めたものですが、そうした小売店側の思惑とは別に、顧客は、レジ袋を、たんに商品を自宅に運ぶためだけでなく、分類整理のために活用し、汚れたら、ごみ袋にして、ごみと一緒に捨てるというように有効活用していました。
ごみはレジ袋とともに燃やされ、その熱は発電に利用されます。小泉前環境相がドヤ顔で喝破したように、プラスチックは、石油からできています。ごみにプラスチックが多く含まれるほど、燃えやすくなります。
ごみの燃焼によって発生する熱と二酸化炭素も回収すれば、温室栽培で有効活用されます。育成される植物は、食用に使われるだけでなく、バイオマス・プラスチックの材料になります。こうしたプラスチックの使用は、持続可能な循環型経済といってよいでしょう。
ところが意識高い系の自称環境保護活動家たちは、この健全な循環型経済を寸断してしまいました。環境を保護しようと高い意識を持つこと自体は良いのですが、政策を決める時には、本当に環境保護や資源節約になるのかどうか、よく考えなければいけません。
レジ袋有料化で使用が増えた綿製のエコバッグの場合、131回以上使わなければレジ袋よりも省エネになりません。また、エコバッグを使うと、ごみ袋が別途必要になります。実際、レジ袋有料化の影響で、ポリ袋の売り上げが倍以上になりました。プラスチックの使用量を削減する効果はなかったのです。
プラスチック削減運動の発端となったのは、2015年にネットで公開された鼻にストローが刺さったウミガメの動画でした。鼻から血を流すウミガメの姿は痛々しく、世間に大きな衝撃を与えましたが、本当に問題なのは、ストローよりももっと小さくなったマイクロプラスチックによる海洋汚染です。
これは、たしかに解決しなければならない由々しき問題です。しかし、プラスチックのマテリアル・リサイクル、そのためのごみの分別収集、ごみ袋とレジ袋の有料化は、マイクロプラスチックによる海洋汚染を防止する上で逆効果になっています。
なぜなら、ごみを捨てる方法が面倒で高コストになればなるほど、ごみの不法投棄が増えるからです。プラスチックのマテリアル・リサイクルも、通常は採算が取れないので、義務化するなど強要するほど、不法投棄を増やすことになります。
ごみの不法投棄を減らす最もよい方法は、ごみをいつでも、どこででも、分別せずに無料で捨てられるようにすることです。ガス化溶融炉でごみ処理をするなら、人間が分別をしなくても、機械的・自動的な分別により、発電と資源のリサイクルが可能です。
マテリアル・リサイクルこそが本物のリサイクルで、サーマル・リサイクルは偽のリサイクルと言う人は、資源の本質を理解していません。資源の本質とは、物ではなくて、エントロピーの低さです。特に有機系の資源は、熱分解した方が、本当の意味での循環型経済になります。
プラスチックのマテリアル・リサイクル、ごみの分別収集、ごみ袋とレジ袋の有料化といった経済的合理性もなければ、環境保護にも資源節約にもならない愚策を、「人々の環境意識を高める」といった精神論で正当化する意識高い系の偽善を見破ることこそ、真の意味で高い意識がなすべき仕事だと思います。
ピグー税による少子化の促進 | 永井俊哉ドットコム
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永井俊哉

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