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What is trend?

What is trend?
By 515hikaru(Takahiro Kojima) • Issue #37 • View online
おはようございます。515hikaru です。
Technology and Society は、ソフトウェアエンジニアの視点から社会を切り取るニュースレターです。

SNS からどう一歩引くのか
流行ってなに?
昔からの疑問でした。流行とはなんなのか、どこにあるのか。大人になれば分かるのかと思っていましたが、むしろ時間が経てば経つほどどんどんわからなくなっていきました。
ファッション業界では流行の色を決める団体があったりします。この文脈においてはつまり、流行とは作られるものです。
一方で、自然発生的に見える流行もあります。Twitter を見ているとみんな共通の話題について言及しているように見えます。そのものズバリ「トレンド」という欄があります。Podcast を聞いていると違う番組なのになぜか同じドラマや同じマンガの話題をよく耳にします。
ではそれは流行なのか。少し前までは僕もそうなんだと思っていましたが、どうも違うように思えてきました。というのも、僕の観測範囲にいる人というのは驚くほどに似通っていて、みんな同じような思考をし、みんな同じようなコンテンツを好んでいます。
昨年、会社の人が「愛の不時着」というドラマの話をしていました。僕は当時タイトルさえ聞いたことがありませんでした。その場にいた人ら、愛の不時着についてほぼ知らない人たちに向かってその人は言いました: 「こんなに流行っているのに!」
そう、きっとその方の観測範囲では流行だったのでしょう。流行を確信し、疑いもしなかったはずです。でも僕の観測範囲ではきっとほとんど愛の不時着をみている人はいなかった。少なくとも、僕に愛の不時着の話を振る人は一人もいなかった。
このとき、自分にとっての流行は人にとって流行とは限らないという当たり前のことを再認識しました。ほとんど全ての流行はマイブームでしかありません。フォロイーが Twitter で言及していることも、Podcast で聞いたおすすめの漫画やドラマも、各々のマイブームでしかありません。そのクラスターの中での流行は、クラスターから一歩外に出れば誰も知らない、誰も興味がないようなことです。
「フォロー」によるクラスター化
Twitter にせよ Facebook にせよ Instagram にせよそこにはごく一部の人しかいません。驚くほどごく一部の人しかいません。
これははっきり数字で出ていて、これらの SNS プラットフォームで日本の月間アクティブユーザーが(公式発表で) 5,000 万人を超えているものはただのひとつもありません。日本の人口は 1 億人を超えているので、人口の 50 % をカバーできているプラットフォームはひとつもありません。つまり上記の SNS を使っている時点で少数派です(LINE は例外で、8,000 万人を超えているので LINE は使っているほうが多数派です)。
SNS を使って得られた情報はまず「そのプラットフォームを使っている」集団で閉じた情報であり、さらに「あなたがフォローしている」人の情報で閉じて小さなクラスターと化しています。「流行」はその小さな小さなクラスターの中で起きていることでしかありません。
ちなみに日本のテレビの普及率は単身世帯であっても 80 % を超えており、二人以上世帯であれば 95% をこえます。つまり数だけでいえば SNS をどれほど活用してもリーチできない層にテレビを使えば容易にリーチできる可能性があるわけです。テレビのリモコンに雨後の筍のようにストリーミングサービスへの導線をつける理由がわかりますね。
最近はネット世論を政府が気にしているみたいな噂(あくまで噂でしかないとは思いますが)もあり、SNS、とりわけ Twitter での発信は注目度が上がっているように感じます。メディアでも SNS で話題になっていることが取り上げられるなんて珍しいことでもなんでもなくなってきました。
一方で、ありとあらゆる情報源が結局 SNS になってやしないか。そして SNS の意見を取り沙汰しすぎではないかと考えていて、僕はこれは危険な兆候であると感じています。
先述のように、SNS に大した人数はいません。発信している人なんてもっといません。SNS で何か発信している時点でとんでもないマイノリティです。
そのマイノリティの意見が例えば現場での意思決定に関わることが実際にありました。夏のビッグイベントの開会式とかがそれでぐっちゃぐちゃになったとかいうのは記憶に新しいです。
よく言えば市井の人々の意見を取り入れたのかもしれませんが、それって本当に良いことなんでしょうか。それで社会が何かしら好転したことがあったんでしょうか。そして何より、SNS にいない多数派の人たちは本当にそんなことを望んでいたんでしょうか。
なんだか、かつてはメディアが担っていた大した実体のない世論の居場所が SNS へと移ってしまっただけな気がしてなりません。
#99-9 石戸諭さんと語るニュースの未来② ハッシュタグに流されすぎてやいないか
Facebook の社名変更の噂
Facebook plans to change company name to focus on the metaverse - The Verge
Facebook が社名を変更しようとしているという噂が出ているとのこと。
Facebook はもちろん、Instagram や WhatsApp など Social Media の巨人というイメージの強い会社ですが、最近は Oculus など VR 領域に力をいれており、それ系の名前にするんじゃないかとか。
ただ Social Media それ自体の問題に加え、内部告発などもあり現在は世間の風当たりもかなり強く、Facebook が Facebook のイメージを払拭したいという意図も透けて見えます(社名変更というのはそう簡単に発表できることでもないと思うので、内部告発以前から議論はされていたのだろうと推察しますが)。
あくまで噂なので実際にどうなるかは不明です。が、どうなるか少し関心があります。
Frances Haugen: Facebook whistleblower reveals identity - BBC News
あとがき
久しぶりにソフトウェアエンジニアが書いた記事を読んで、考え込みました。
いま時点では、僕はソフトウェア開発の能力を高めることにプライベートの時間をあまり割かないようにしています。ある程度技術記事をザッピングはしていますが、最近はあまり目を通してもいません。
もちろん他にやりたことがあるからですし、今の僕はコードを書くことで価値を提供する以外のことをやりたいと思っています。ですが、果たしてその先にあるものはなんなんだろうかと、時々自問します。その後に何が待っているのか。
まだ何も、見えていません。
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515hikaru(Takahiro Kojima)

主にテクノロジーに関するニュースを、一開発者の視点から紹介していくニュースレターです。

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