外に出るとさまざまな気づきがあります。30 分もない短い散歩でも、何度繰り返したルーティンでも。
いつの間にか半袖の T シャツでは肌寒いくらいに涼しいなとか、どうやら数時間前まで雨が降っていたようだとか、こんなところから綺麗な夜景が見えたんだとか。それらは全部、外に出なければわからないことです。
さて、長らく続いていた緊急事態宣言が先月末で解除されました。解除するには根拠が乏しいと個人的には思っていますが、不当に経済活動を強く制限し続けるわけにもいかないので順当なところでしょう。
7 月の下旬ごろからの騒ぎが始まった時には、それが 9 月末には何故か収まっているなどとは想像もできませんでした。理由はよくわかりませんが、とにかくとても長かった夜もとうとう明けたのです。
人は内省だけでは変わりません。自分が居て、外からの刺激があって変化するものです。それは外に出ること、他人と会うこと、自分が思いがけないものに出会うことによって実現します。
インターネットの世界で思いがけないものに出会うことはないとは言いませんが、個人的には外に出ることによって得られるインサイト以上のことを得られたことはありません。良くも悪くもリコメンド機能の進化のおかげか、自分の想像の外にあるものに出会うことはありません。
駅に行けばどれほどの人出なのか体感できます。カフェに行けば誰かが話していることが聞こえてきます。本屋に行けばどんな人が何を読むのかのイメージを掴むことができます。夜の街を歩けば、こんな状況でもたくましく生きている人の姿を見ることができます。
どれも SNS でバズるものでも、EC サイトからわかることでも、メディアが取り上げるようなものでもないです。でもとてもリアルな今のこの社会の断面です。
僕の行動はおそらく先月までとあまり変わりません。ですが周りが変わることで、きっと僕自身も何かしらの刺激を受け、新たな気づきがあるでしょう。個人と社会は不可分で、社会が変われば僕も変わります。
これが最後の夜明けなのか、あるいはまた何か起こるのかそれは誰にもわかりません。だから過度な期待は禁物だと思っています。そんな僕でも今月は少し楽しみです。