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The End of The Newsletter

The End of The Newsletter
By 515hikaru(Takahiro Kojima) • Issue #43 • View online
おはようございます。515hikaru です。
Technology and Society は、ソフトウェアエンジニアの視点から社会を切り取るニュースレターです。
そして、突然ですが今回が最終回です。

罪と償いと救済と
最終回なので 515 ひかるらしいテーマを考えたら、この 3 つの単語が思いつきました。
でも今回は救われたいという話ではなく、救われたという話です。それもまた最終回っぽいですね。
515hikaru
初めて自分の過去について洗いざらい全部話した。今まで言わないのが自分がしなければならない償いだと信じていたけど、やっとそれが違うとわかったし、自分を許せるのってやっぱり自分だけなんだなって思った。いま信じられないくらい肩が軽い。やっと僕も幸せになっていい気がしてきた。2021年冬。
初めて自分が過去にしてしまったこと、当時思っていたことや感じていたこと、いま思っていること、それらを時間をとって冷静に考えて、言葉にして話しました。それがこの間の金曜日のことでした。
僕がしたこと、逆に僕がされたこと、起きたことと僕の意見を全部ひっくるめて洗いざらい初めて話しました。そしてその結果、何年も実は自分が欲しいと願っていた言葉をもらいました。つまり「あなたはただの加害者じゃない」ということ。
ずっと僕は、罪の意識から逃れることを恐れていました。自分の反省が薄れることで同じことをするのではないか。自分で自分に手錠をはめることでしか、同じことを繰り返さない方法はないのではないかと。だからこそ僕は 10 年近くの間、ずっと殻にこもって生きてきたのです。
でも、本当はそんなことをする必要はなかった。僕は、見方を変えれば罪を背負わされた被害者だった。罪を償うためにするべきことを探すのではなくて、自分が救われるための行動や、せめて自分の罪は軽い(情状酌量の余地がある)ということを認識するための行動をすればよかった。時間はかかりましたが、やっとのことでそれに気づけたのです。
あとにも書きますが、自分を救うということ、自分を解放するということが今年の目標のひとつでした。それをかなり突拍子もない、自分も想像していなかった形で達成しました。いま本当におだやかで、とても軽やかな心地です。生きるってこんなに気楽なことなんだって、いま心の底から思っています。
明日からどう幸せになろうか、これから毎日それを考えて生きていける。僕にそんな心が 10 年ぶりに帰ってきて、いまとても嬉しいです。
このきっかけをくれた、僕に自分を好きになってほしいと言ってくれた人にこの場で感謝を捧げます。あなたのおかげです、本当にありがとう。
Goodbye to 515hikaru
更新停止のお知らせ - Diary over Finite Fields
実を言うと、515 ひかるをやめるということは今年の頭ごろから考えていました。そのいつかがいつになるのかよくわかっていませんでしたし、僕の感覚としては今年ではないだろうと思っていましたが、事情が変わって今がそのタイミングだろうと自分の中で結論を出しました。
515 ひかるという名前を通して僕を知ってくださった方はそれなりの数がいると思います。この名前に愛着もあります。さらには一貫して日本語でしか発信していないのに海外からメールでブログなどの感想をいただくこともありました。本当に嬉しかったです、感謝しています。
休止の理由
理由としては、自分がこの名前でどれほど活動し続けても、僕にこれ以上の新しいものをもたらすことは難しいのではないか、そう感じるようになったからです。
もともと 515 ひかるの活動は自分自身に益があると感じていたからこそ続いていたものです。しかし、いまの僕にとっては 515 ひかるとして活動し続けることはマンネリ化していて、最近は何かメリットを享受したと感じることはほとんどなくなっていました。。
新しいものというのは、何かを増やすことではなく減らすことから始まります。よく付加価値とか言いますが、付け加えることだけが価値をもたらす方法ではありません。515 ひかるのここ数年の変化は、自分自身からやることを減らし続けることで実現しました。
いろいろなことをやめました。その結果今の自分になることができ、それにはとても満足しています。こうしてニュースレターを毎週書くようなクリエイターにもなりました(自己満足で 1 円も稼いでいないですが)。
しかし、515 ひかるであることはやめられませんでした。僕が 515 ひかるである限り、結局発信はテクノロジーに関するものであるとか、今まで Twitter やブログ記事などで積み上げてきた発信の延長線上にあるものにしかなりません。
今の僕にはそれが耐え難いくらい窮屈です。
僕=515 ひかる?
さらに言えば、プライベートにも影響を及ぼしています。僕と対面で会ったことがある人は、おそらく僕のブログを読んだことがある人がほとんどでしょう。あるいは僕の Twitter をかつてフォローしていた人がほとんどでしょう。
もともとは 515 ひかるという名前をプライベートの「僕」にまで侵食させる気は一切ありませんでした。僕自身にとって 515 ひかるの起源は、自分の中に巣食うネガティブな気持ち、強い衝動、人に伝えられなくても伝えられないようなドロドロしたもの、それらを別の人格に言わせているという性質のものとして切り出したものです。僕はあくまでもコジマタカヒロさんなのであって、当初僕にとって 515 ひかるは別人、言うなれば 515 ひかるとしての発言は僕にとっては「彼が言っている」くらいのものだったのです。
このように考えていたのは、以前は現実とネット上の人格は切り離して考えていた、そしてそれはそこまで不自然な考え方でもない時代を生きてたからです。
しかし時は流れ、現実の個人とネット上の個人とが強く結びつくようになり、それがむしろ当たり前になりました。それに伴い、コジマタカヒロさんが現実でも少しずつ 515 ひかるとして振る舞うようになりました。515 ひかるとしての SNS などでの振る舞いを現実でコジマさんが再現し、皮肉を言い、酒を飲んだくれ、ダラダラと生きていました。
当初は非常に気持ち悪かったのですがいつの間にか慣れ、もう何年もなんの疑問にも思わなくなっていました。
But I Don’t Need 515hikaru Anymore, Right?
かつて 515 ひかるのような存在が僕には必要でした。当時の僕にはこの社会に恨みつらみがたくさんありました。僕はどんどん孤独になって視野狭窄になり、この世のありとあらゆる全てを敵に見たてて、全てを憎んでいました。
そうでもしなければ、僕は生きていけなかったんです。冒頭に書いた罪の話とも関連しますが、僕が追い込まれていた時に、唯一の拠り所になっていたのが 515 ひかるであり、僕は自分の怒り、嘆き、この理不尽な世界への絶望を 515 ひかるに代弁してもらっていたのです。彼の発信に共感してくれる人たち、または彼の考えに反応をくれる人たちが少なからず居たのは当時の僕にとって貴重な救いでした。
しかし、今となっては僕にはもうそんな強い衝動はありません。強い怒りや憤りを感じることももはやありません。その理由はもうないからです。僕の人生に暗い陰を落としていた障害はもうなく、彼に代弁してもらわないといけないことはもうなにひとつとしてありません。
ことここに至って、不意に気づいたんです。この 515 ひかるという存在はいつしかコジマタカヒロを侵食していたのではないかと。
自分は昔からここまでネガティブな人間だったかというと、そう思いません。しかし 515 ひかるという存在は他ならぬ僕の手によって極端なほどネガティブに作られた存在であり、この人格でいる時間が長引きすぎた今、515 ひかるがネガティブな人だったのか、コジマタカヒロさんがネガティブな人だったのか、もはや誰にもわからないということに気づいたのです。
普通にコジマタカヒロとして過ごしていたら、当たり前のように自分がたどり着いていた世界、当たり前のように見つけていた答え、当たり前のように得られていた機会、当たり前のようにあった出会いを、515 ひかるという名のもとで生きることでみすみす逃してやいなかっただろうか。
わかりません。わからないので 515 ひかるは一度いなくなろうと思います。人間は他者が観測することで初めて存在します。ということは、515 ひかるが一切の発信をやめれば 515 ひかるはきっと擬似的に存在しなくなるでしょう。
何より、ずっと前から僕にはもう 515 ひかるは必要なくなっていたのです。この名前を維持し続ける理由はどこにもありません。
これからについて
やめてからのことは何も考えていません。どれほど言葉を尽くしても伝わらないと思いますが、僕(すなわちコジマタカヒロ)にとって 515 ひかるという存在はとても大きなもので、この決意はとても大きなものです。これからの僕にどんな影響を及ぼすのか、全く検討がつきません。
でも同時に僕はとても楽観しています。どうせ勝手に何かが始まるでしょう。少し先の未来になるかもしれませんし、このニュースレターが発行されている今日にはもう、今まで 515 ひかるとして生きていたなら絶対にしなかった行動を既にとり始めているかもしれません。
Instagram だけはもともと本名でやっているというのもあり今まで通り更新しようと思います。それ以外は一切更新しないつもりです。
いま僕はとてもワクワクしています。僕の前には道がない、僕の後ろにも道がない。こんな感覚はとても久しぶりで、とても面白いし楽しみです。きっと、この感覚は 515ひかるをやめようと決心しなければ得られなかったものだとはやくも思い始めています。
あとがき
このあとがきをもって、僕はしばらく 515 ひかるという名前から離れることになります。
さて、もう年の瀬が近いですね。年を経るごとに、今年は幸せだったとより強く感じることができるようになっています。一昨年よりも去年のほうが、去年よりも今年のほうが幸せです。
僕は今年のはじめに今年の OKR (非公開)として「自分を過去から解放する」という Objective を書きました。このニュースレターを書いていた 1 年弱はまさに自分を過去から解放するために使った時間でした。それを目標に据えるのに 10 年近くかかりました。そしてまさにこの 1 週間、このニュースレターの最終回を書くと決めたこの時間でこの OKR をとうとう達成できたのだと思っています。
3 年前にいい加減にちゃんと生きないとなと思い始めたものの、結局何もする気になれずにずるずると生きてました。昨年のパンデミックの影響で意を決して行動を開始し、そして今年である程度自分の願いが結実したように思っています。自分の人生の中でも、2021 年はきっと一生記憶に残る 1 年になるんじゃないかと思っています。そんな大切な 1 年をニュースレターという形で記録に残し、発信できたのは、ただの偶然とはいえとてもよかったです。
本当はこのニュースレターも 1 年は続けたいと思っていたのですが、中途半端になってしまいました。それは少し心残りです。ですが、この機会は逃してはならないと思い決断しました。
ニュースレターのいいところのひとつは、ひとつひとつの記事に終わりがあることだと思います。そのおかげで読み終えることができます。関連記事のサジェストとか、無限に巡回させるような工夫はありませんしビジネスモデル的にも不要です。
そしてこのニュースレターもここで終わります。今日で終わり、ここが読み終わりです。そうやって宣言できるということが、僕にとってはとても重要な価値を持っています。売上月 N 万円のような何か大きなことを達成するということはなかったニュースレターですが、始めたことを自分の意志で無事に終えられることが何よりも嬉しいです。
さて、いままで購読してくださった方、感想をくださった方、一度でも読んでくださったみなさま、本当に、本当にありがとうございました!このニュースレターは終わりますが、みなさんにこれからも毎週、素晴らしい日曜日がやってくることを祈念して締めくくりといたします。
515ひかるでした、またいつかどこかでお会いしましょう。さようなら。
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515hikaru(Takahiro Kojima)

主にテクノロジーに関するニュースを、一開発者の視点から紹介していくニュースレターです。

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